BLアワード2022年1位に選ばれた漫画『夜明けの唄』3巻に収録予定のあらすじと感想になります。ネタバレを含みますのでご注意ください!今話は2022年4月15日に発売されたfrom RED vol.13に掲載された新着タイトルになります。最新話をいち早くみたい方はBL雑誌fromREDをチェックしてみてください!
『夜明けの唄』のあらすじ紹介
治癒力を持った青年と短命の「覡様」という宿命を背負った戦巫女のファンタジーロマンス作品です。
夜になると島の汀が黒く染まり、黒い海は人の形を模して人襲う化け物から人を守る巫女がいました。成長が止まり、髪が白くなり額に花みたいな模様が浮かぶと「覡様」として村を守る巫女として孤独に闘う巫女として全うしなければなりません。
そんな宿命を背負ったエルヴァという少年の存在を知った少年・アルトは彼を解放してやりたいとエルヴァの元を8年の年月そばに居続けました。
アルトのそばにいると身体に広がった呪いの墨痣が弱まり、延命しても5年と言われていたエルヴァが覡になり12年の年月が経ち、身体の成長も感じながら回復の兆しもみせます。
そんなエルヴァの宿命と抗いエルヴァに惚れ込み仕え続けるアルトの歯痒くもお互いの愛情に溢れた物語です。
BL漫画『夜明けの唄』3巻収録!あらすじ紹介
エルヴァの過去(10話)


[著]ユノイチカ
アルトを捜索した新月の夜からひと月が経ち、月に一度のエルヴァと共にできる夜がやってきた特別な日。長い夜をエルヴァと2人で寄り添うように覡になる前のエルヴァの話を聞きます。
誰にも聞かせなかったことのない話をなん度も喉がつっかえそうになりながらアルトに話します。何重にも纏った強がりや虚栄心、打ち明けられられない寂しさをゆっくり剥がされて、心の奥の柔らかい場所に触れられるエルヴァ。
求めても得られず出会っても別れはすぐに訪れ、アルトに負担をかけたまいと自身の暗いところから遠ざけたかったエルヴァでしたが、痛み見せて重たい荷物を分けるようにつらい過去の話をするのでした。
触れ合い(11話)


[著]ユノイチカ
後日アルトはエルヴァへの執着を「恋心」だと知っている仕立て屋の数少ない友人にエルヴァが徐々に心を打ち明け素直になってくれたことを話します。もとい同性が好きなお仲間の友人・エイナルは自分が黒海に襲われないことを、その目で知っている珍しい村人で、領主様のお屋敷に向かうため一張羅を仕立てることに。
愛だの恋だの必要ないという考えだったエルヴァに想いが通じてようやく両想いっぽくなってきたことを喜ぶアルトでしたが、友人エイナルにキス以上のことをしないのかからかわれます。
仕立ての練習に着せられたフォーマルな服を着たままエルヴァの元に戻るアルトでしたが慣れないタイを無理やり外そうとしますが、エルヴァに解いてもらい初めてエルヴァの方からキスをしてもらい思わず泣いてしまうアルト。
友人の言葉を思い出し、エルヴァのことを知らない知識で怖がらせたくないとまずは裸で触れ合うことに。自分は二の次でただただエルヴァに気持ちよくなってほしいアルトは心を見せ合って触れて魂ごと抱きしめるような触れ合いを続けるのでした。
BL漫画『夜明けの唄』最新話12話のあらすじ紹介


[著]ユノイチカ
夜に危険な海岸方面へ向かうレティを見かけたアルト。黒海に襲われるどころか、レティは黒海に浸かり海水を採取して小屋に向かいます。アルトは後を追いレティが誰かと話している様子を伺えましたが内容は聞こえず、レティが出て行った後に小屋に入ると見たこともない液晶版に驚きます。話し相手はその光る板の向こうで遠い所にいて通話をしていることを伝え切られます。この島のものではないレティの持ち物にもしかして彼女は島の外の世界を知っている…?とアルトに気づかれ、外部の発信源からアルトの位置情報を知らされレティは慌てて小屋に戻ってきます。
そんな中南の覡小屋のエルヴァの元にかろうじて生きているマニエリという名の覡が運ばれてきます。運んできた知らない男に怯え、墨痣が消せるというアルトの居場所を聞かれます。こんな村はずれの島の端でたいした交流もなく時が止まったようなエルヴァの姿に残酷さを感じたその男はエルヴァと共にアルトの帰りを待つことに。
全身を墨痣で弱っているマニエリを熱湯で温めながら、こんなになるまで闘ったマニエリを解放してくれと男に伝えます。
エルヴァの言葉は使命感と犠牲心でできているようでした。
翌朝アルトとレティが戻ってき、マニエリは修道院に死んだことになっているからここでかくまって助けろと小屋を出て行きますが、マニエリを助けたら島の外に逃してくれるのかと、アルトはその男に問いつめます。マニエリのことで動揺して10年間守ってきた島の外の情報を知られてしまったレティはアルトに全部話をし、マニエリが目覚めたらエルヴァにも話すように説明します。
理由はわからないが、黒海はこの島にだけ存在し、この島の人間しか襲わないこと。だから島の外は安全で、島の外から来た自分達は襲われないのだということ。
島の外との交流は100年以上ないはずだと思っていましたが、実は領主の一存で人でも物でも入ってくることができ、領主一族の勝手な価値観で島の人たちを閉じ込められているのだと話します。
レティは島に留まる条件に領主一族には手出しが出来ず、見守ることしかできませんでした。しかし、黒海に襲われないアルトも同じ外の人間だと思っていましたが、自分達にない治癒力の力があることに覡様たちを助けることができるのではないかと希望を見出します。
レティ達が帰った後、真っ黒になったマニエリを抱えエルヴァに上で休んでくださいと伝えます。しかしエルヴァはアルトから離れず震えるアルトの手に重ねます。
外の世界やレティの言葉、覡様の未来、自分できることはなんだと心の中で問いかけるのでした。
『夜明けの唄』12話ネタバレ感想

本当にBL漫画ですか……?
あまりに壮大すぎる…マニエリを運んできたジュノという男、島の外の人間のようですが、島の内部のことをしり覡様を助けようとする数少ない人物なんでしょうか…?
しかし修道院の人たちは駒のように覡様を死んだことを悟ると控えの花付きを行かせるなんてなんという残酷さなんだろう…。今回島の外の状況は分かりましたが、なぜ島の中の住人は逃れることができないのかが明かされていないので謎はまが深いまま。
マニエリの髪を採取したりレティやコノエもエルヴァ達のために動いてくれているんでしょうか…?仲間だと信じています!
急にパソコンやスマホが出てくるので島の外は現代に近いものがあるんでしょうか…?島の中が電気すらないのだがらどれだけ隔離されていたのかが伺えます…
そして覡の力を保持したままのうのうと生きることは許されないとエルヴァを縛り続けるもの。
闘うか死ぬかじゃないよーーーー!!!!愛されて幸せになってくれーーーーー!!!
1話1話の満足感がすごくて何度も読み返しています。大好きです。